【医師が教える】薄毛になるかは遺伝子でわかる?AGA検査の種類と費用

AGAの検査の種類

抜け毛が以前よりも増えてきたような気がする……など「AGA(男性型脱毛症)」が心配になったら、自分がAGAかどうかを見極めて、自分に適した治療をするために検査を受けることを検討してみましょう。ひとくちにAGAの検査といっても、いくつかの種類があります。ここでは、AGAの検査の種類について説明します。

AGAの検査の種類

○医療機関での検査

AGA治療を行っている医療機関で受けられる検査は、血液検査と遺伝子検査の2種類が一般的です。それ以外にも、一部の医療機関では毛髪ミネラル検査を実施しているところもあります。検査はカウンセリングや問診・視診の後に、医師の指示にしたがって受けます。ただし、すべての医療機関でこれらの検査を実施しているわけではなく、血液検査のみの場合や、検査は実施せずに問診や視診のみで診断する場合もあります。

  • 血液検査

    AGAの可能性がある場合に受ける血液検査は、健康診断などで受ける血液検査と同様に一般的な検査であることが多いです。採取した血液の成分を解析して、体の健康状態を調べます。血液検査の結果は、通常1週間程度でわかります。医療機関によっては会社などで受けた健康診断の血液検査結果票を持参すると、新たに血液検査を実施せず、健康診断の結果をもとに診断してもらえるところもあります。

    遺伝子検査

    遺伝子検査は、採取した血液や口腔粘膜細胞(ほほの内側の細胞)などを使用して遺伝子を解析する検査です。AGAの発症に関係している「男性ホルモン受容体」やAGAに関わる疾患遺伝子の状態を調べることができます。遺伝子検査の結果がわかるまでには、通常2~3週間かかります。遺伝子検査はいずれの医療機関でもオプションで、必ずしも受けなければならないというものではありません。また調べられる遺伝子も病院ごとに違うため確認するようにしましょう。

    毛髪ミネラル検査

    毛髪ミネラル検査は、採取した毛髪に含まれる成分を分析することで体内のミネラル成分を測定する検査です。ミネラルにはナトリウムやカルシウムのような体に必要なミネラルと、カドミウムやアルミニウムなどの有害なミネラルとがあり、検査ではその両方をチェックします。毛髪ミネラル検査は遺伝子検査と同様にオプションで、本人が希望した場合にのみ受けます。

○検査キットによる遺伝子検査

医療機関に行かずに検査を受ける方法として、自宅で細胞を採取して送ると遺伝子検査の結果を通知してくれる「検査キット」を使用する方法があります。細胞を採取するといっても、専用のスティックで口の中をこするだけなので特別な技術は不要です。検査キットを使用した場合、遺伝子検査の結果は採取した細胞を送付してから通常2~3週間で通知されます。

検査キットはドラッグストアや通信販売などで購入することができます。医療機関に行く時間がとれない場合や、「すぐに治療を受けるつもりはないが、心配だから検査だけはしておきたい」といった場合に便利です。

AGAの検査でわかること

AGAの検査を実施していない医療機関もあるとお伝えしましたが、それでは検査は何のためにするのでしょうか? また、本当に必要なのでしょうか? 検査の目的や必要性を知るために、AGAの検査でわかることについて見ていきましょう。

○AGA以外の病気ではないか

血液検査では、薄毛の原因がAGA以外の病気によるものではないかを調べる手助けになります。薄毛の原因はAGA以外にもさまざまなものが考えられますが、代表的なものは甲状腺の病気や膠原病、代謝障害などです。こうした他の原因によって薄毛が引き起こされていた場合にはAGA治療薬を使っても治すことはできませんから、治療前に検査をして他の病気の可能性がないかチェックしておく必要があるのです。

○肝機能や腎機能が低下していないか

AGAの治療薬には、フィナステリドやデュタステリドといった肝機能に影響を及ぼす可能性のある成分を含むものがあります。そのため、投薬治療を始める前に血液検査を行って肝機能が低下していないかを確認しておく必要があります。また、ミノキシジルは腎機能に影響を及ぼすこともあるので、必要に応じて腎機能も検査をすることがあります。医療機関によっては治療開始後にも定期的に血液検査を行って、AGA治療薬の体への影響を確認しているところもあります。

○栄養状態が悪化していないか

病気とまではいかない場合でも、栄養不足が薄毛に影響している可能性もあります。血液検査や毛髪ミネラル検査では、体の栄養状態を調べることができます。検査の結果、栄養不足だった場合には必要に応じてAGA治療の中で医師から食事に関してもアドバイスをされる場合があります。

○AGAになりやすい体質かどうか

AGAの原因のひとつに、遺伝の影響があります。遺伝子検査では、遺伝子の配列パターンや疾患関連遺伝子の変異の有無を調べることによってAGAになりやすい体質かを知ることができます。つまり、今は薄毛の兆候はなくても、遺伝子検査を受けることによって将来的にAGAを発症するリスクを知ることができます。ただし、遺伝子は時間の経過によって変化するものではありませんから、遺伝子検査でわかるのは「現在AGAであるか」ではなく、「AGAになりやすい体質であるか」であるという点には注意する必要があります。

○AGA治療薬が有効な体質かどうか

遺伝子検査でわかるもう1つのポイントとして、フィナステリドの効果が予測できることがあげられます。フィナステリドとはAGA治療薬によく用いられる有効成分のことで、遺伝子の配列パターンを調べることによってフィナステリドの有効性が予測できる可能性が指摘されています。そのため、遺伝子検査は投薬治療の場合にフィナステリドを含む薬を使用するかどうかの判断に役立ちます。

遺伝子検査における「CAG」「GGC」の意味

遺伝子検査によってAGAになる可能性を調べられることはご説明しましたが、遺伝子検査で具体的にどのようなことを調べているのかは、イメージしづらいと思います。ここでは、AGAが発症する仕組みと原因遺伝子として代表的なアンドロゲンレセプターに関する遺伝子を中心に説明します。その遺伝子においてキーとなる「CAG」や「GGC」といった言葉の意味についても解説します。

○AGAが発症する仕組みと遺伝子

AGAの発症には、「DHT(ジヒドロテストステロン)」という男性ホルモンが大きく関わっています。このDHTは男性ホルモン「テストステロン」が、体内で分泌される「5αリダクターゼ(5α還元酵素)」という酵素と結びつくことによって変化したものです。

さらに、こうして作られたDHTが毛乳頭細胞にある「男性ホルモン受容体」と結びつくことで、発毛から脱毛までの一連のヘアサイクルを乱し、薄毛を引き起こしてしまうのです。

ある一つの遺伝子検査の項目では、このDHTが男性ホルモン受容体と結合する点に着目します。染色体の中に存在する男性ホルモン受容体遺伝子を調べた結果、DHTと結合しやすい男性ホルモン受容体遺伝子には、特定の塩基配列(遺伝子情報の並び)の繰り返し回数に特徴があることがわかっています。

この特定の塩基配列というのは、「CAG」「GGC」と呼ばれるものです。CAGやGGCの意味は次の項で解説しますが、遺伝子の中には「CAGリピート」「GGCリピート」と呼ばれる塩基配列が繰り返している部分があります。遺伝子検査では、これらの繰り返しの回数を調べることによってAGAが発症しやすい体質であるか、有効成分フィナステリドの効きやすい体質であるかといったことを診断します。

○CAGやGGCの意味

CAGのそれぞれのアルファベットは、シトシン(C)、アデニン(A)、グアニン(G)という成分を意味しています。男性ホルモン受容体遺伝子には、塩基配列がこのC・A・Gの順に並んでいる部分があります。

もう一方のGGCも同様に、男性ホルモン受容体遺伝子の中にグアニン(G)とシトシン(C)がG・G・Cの順に並んでいる塩基配列を意味しています。

このCAGやGGCの配列が繰り返される回数を「CAGリピート回数」または「GGCリピート回数」と呼び、DHTと男性ホルモン受容体が結びつきやすい体質かどうか判断するための指標としています。また、CAGリピート回数を調べることによってフィナステリドの効果予測もできます。

統計的に、CAGとGGCのリピート回数を合計した数が38以下の人は、AGAを発症しやすいことがわかっています。また、CAGリピート回数が27回以上の人は、フィナステリドを用いた治療の効果が出にくいとされています。

AGAの検査費用の相場

AGAの検査を受ける場合、費用はどのくらいかかるのでしょうか。費用は検査の種類や、医療機関で受けるか検査キットを使用するかによっても大きく変わります。ここでは、AGA検査費用の相場をケース別に解説します。

AGAの検査費用の相場

○血液検査の費用

医療機関で血液検査を受ける場合、検査費用は5,000円~6,000円程度が相場となります。また、医療機関では検査費用とは別に初診料として4,000円~5,000円程が必要となる場合があります。

○遺伝子検査の費用(医療機関の場合)

医療機関でAGAの遺伝子検査を受ける場合、検査費は19,000円~20,000円程度が相場です。遺伝子検査の場合も、検査費用だけでなく初診料が4,000円~5,000円ほどかかる場合があります。

○遺伝子検査の費用(検査キットの場合)

検査キットを使用してAGAの遺伝子検査を受ける場合、検査キットの購入費用の相場は10,000円~15,000円程度です。医療機関で遺伝子検査を受ける場合と比較すると、15,000円程度安いことになります。なお、ほぼ同価格帯でAGA以外の病気(歯周病や肥満など)のリスクも一緒に検査できるキットもあります。さらに、がんや生活習慣病リスクの検査ができるキットもありますが、ほかの検査キットより高額になりますので目的に合わせて選びましょう。

検査の結果、AGAになりやすい体質だとわかったら

検査を受けた結果、AGAになりやすい体質だということがわかったら、どのように受け止めればいいのでしょうか?ここでは、AGAのリスクが高いと診断された人へのアドバイスを紹介します。

○「遺伝だから」と諦めない

遺伝子がAGAの発症に影響していることをお伝えしてきましたが、遺伝的にAGAを発症しやすい体質であってもAGAを発症しないこともあります。実際に、薄毛の方が多い家系であっても髪の毛がフサフサしている方もいます。これは、AGAの発症には遺伝以外に生活習慣やストレスなどといった後天的な要因も関与しているためです。

生活習慣を改善したり育毛剤を使ったりなど、予防策としてできることはあります。遺伝的にAGAになりやすい体質であっても、諦めることはありません。

○生活習慣に気を付けてAGAの不安を解消しましょう

AGAになりやすい体質であることがわかったら、生活習慣を改善してAGAを発症しにくい生活に切り替えましょう。AGAを発症しにくい生活といっても、特別なことではありません。健康な体を作るのと同じで、栄養バランスの良い食事を心がけ、睡眠をたっぷりとるといった基本的なことが健康な髪を作ることにつながります。

また、ストレスが過剰になると自律神経が乱れ、血行が悪くなって頭皮に栄養が行き渡らなくなるため、育毛に悪影響を及ぼす可能性が高まります。もしストレスが溜まっている場合には、心や体だけでなく、髪のためにもストレスを軽減する方法を検討してみましょう。

○遺伝子検査の結果は何回受けても変わりません

遺伝子は持って生まれたものであり、成長の過程で変化するものではありません。もし、遺伝子検査の結果でAGAになりやすい体質だということがわかった後に、体質の変化を知るため時間をおいて遺伝子検査をもう一度受けたとしても、結果は変わりません。

○薄毛が進行していると感じたら治療を検討しましょう

AGAは進行性の病気で、発症すると自然には治りません。医療機関ではAGAの進行を抑える薬や発毛を促す薬を処方してもらうことができますので、抜け毛が気になってきたら放置せずに医療機関で治療を受けることも検討してみましょう。

AGAであるかは検査でわかるものではない

意外に思われた方もいるかもしれませんが、AGAであるかどうかをチェックするための検査はありません。検査によってAGAを発症するリスクはないか、AGA以外の病気の可能性がないかはチェックできますが、AGAを発症しているかどうかは、医師による問診や視診によって診断されます。

しかし、紹介してきた通り検査によって体の状態を知ることは治療に役立ちます。それぞれの検査の特徴を理解して、目的に合った検査を受けるようにしましょう。

東京、JR秋葉原駅から徒歩4分にあるAGAヘアクリニック(以下、当院)はAGA治療専門のクリニックです。当院では血液検査はもちろん遺伝子検査や、女性向けの特殊検査も承っております。詳しくは当院HPにてご確認ください。

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